夏の足音 ~ 立夏(りっか) ~


2017年5月5日(金)は「端午の節句」でございましたが、暦のひとつ二十四節気の「立夏」に当たる日でもございました。

ひとやすみの「春の土用」も終わり、いよいよ夏の到来の合図である「立夏」から8月7日の「立秋」までが暦の上での夏になるというわけです。



さて、本日は「端午の節句」の歳時菓子として「柏餅」と並び知られている、「粽(ちまき)」のお話をさせて下さい。



爽やかな香りの笹の葉に包まれた「粽(ちまき)」は、中国からやって参りました。

2000年以上前のこと、中国の楚国にその正義感と強さで大きな支持を受けた屈原という忠臣がおりました。

屈原は国王の側近として仕えていましたが、陰謀により失脚。

川に身を投げ出し、自ら命を絶ちました。

人々は屈原の死を悼み、命日に竹筒に米を入れて投げた所、屈原の霊が「米は茅(ちがや)の葉で包み、糸で結んでほしい」と言ったという伝承が残っています。

この屈原の命日が5月5日。

それ以来、中国では5月5日の節句に邪気をはらう風習ができ、「端午の節句」とともに「粽」も日本に伝わったと言われています。



和菓子ひとつにもこうした物語があり、暦と共に楽しむ事ができるのは日本ならではと思います。

和菓子の「粽」は期間限定で販売するお店が多いのですが、京都では祇園祭りの「飾る粽」がお目見えする時季とともに販売するお店もございます。

ご縁があれば、是非召し上がってみてください。



本来なら「新茶の話」とともに発信すべき内容でした。

実はつい先日、友人からある和菓子屋に出向いたら「粽」が売り切れていたというメッセージを頂き、「粽の伝承」を思い出しました。

申し訳ございません。

この度は、和菓子にも物語があるという事を知って頂けましたら嬉しいです(苦笑)。

暮らしと風のかたち

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